播州毛鉤
播州毛鉤物語 ギャラリー 伝統工芸士 伝統的工芸品とは 鮎毛バリ事典 ホーム
鮎毛バリ事典

4 日並み作戦


 アユのみならず、川魚は人間よりはるかに気象の変化を敏感に予知できる不思議な能力を持っている。


1
 低水温に見舞われたときは、アユの当りは全く期待できない。 即ち15度まではよいが、13度ともなると、釣り人の身体もブルブル。竿を持つ手もさまにならない。 こんなときはあきらめるしかない。15度近くになれば浅場やトロ場でなんとか釣れよう。 日が差してきて、水温が上15度に上昇すると、魚も動き出して、サオが一斉に立つのが解禁当初のパターンである。


2
 昔から東風は絶対に禁物であるという。 アユは東風が苦手なのだろうか。水温の変化を感じているようだ。 反対に釣り人は、強風には全く困ってしまう。 10メートルの長竿が風にあおられて、持っているのが精一杯。アタリもとれないばかりか釣れてもバレてしまう。
 「太陽には向かえ」、「風は背負え」の昔の人の言葉を思い出せばよい。 長い竿に横なぐりの風を受けては、身体の疲労にも限界がある。 そんな時は、常に風を瀬に受けるような足場固めが肝要である。 煙が上に立つようなベタ凪よりも、水面を小波の立つぐらいの方が、ドブ釣りには向いている。 アユの目は横よりも、上部に鋭いようだ。 水面上に表れた人影を怖れ、竿の動きを忘れて、アユは深場へ移動する。



3
 濁りの状態では、アユは浅場やトロ場、そして岸近くに避難する。 サオを短くして手前を釣るようにすると、濁りがあってもけっこう釣果がある。 ハリは赤系などまた普段使ったことのない、出来るだけ派手なハリがよい。 大岩の影に淀んだところがあればサオを出すべきだ。





このサイトについて
播州釣針協同組合